三鷹で開催された「第四回インディーズアニメフェスタ」 にコッソリと行ってきました。想像していたよりもクオリティが高くてなかなか興味深かったです。 アメリカと中国からゲストが来ていたのには驚きました。ルンパロさんが「アニメーションに国境は無い」とおっしゃっていましたが、 しかしよく連れてこられたなぁと感心しました。
国内作品・海外作品合わせて 19 作品が上映されたのですが、その中でも一番印象に残ったのが「コタツネコ」でした。 こたつから出ようとしない猫が、自分より向こう側にあるリモコンを取ろうとするという、ただそれだけの作品なのですが、 アニメーションや演出がバカバカしいほど作り込んであって(良い意味で)、短いながらも強烈な印象を残しました。 会場でもこれが一番受けていたような気がしますw もちろん他の作品も非常にレベルが高くて楽しませていただきました。
上映会の最後の方で海外作品上映と外国人ゲスト自身の解説があったのですが、中でもアメリカから来た Jane Kim さんの話が印象に残りました。彼女は小さい頃からディズニーアニメ等が好きで、日本のアニメからも影響を受けていたそうなのですが、 当初はドローイング関係のカレッジに通っていて、アニメーションを扱うようになったのはその後だとおっしゃっていました。つまり、 静止画の基礎があって、後にその技術を生かしてアニメーションを制作するようになったわけです。
よくよく考えてみれば、フラ板界隈にしろそれ以外にしろ、Flash 関係で一定以上の実力を持っている方々は、 大抵他に何らかの得意分野を持っているんですよね。美大や専門学校で美術の勉強をしていたり、絵やマンガを描くのが得意だったり、2ch キャラや AA ストーリー等に詳しかったり・・・。最初に突然アニメーションを始めたわけではなくて、 やはり何らかの得意分野が下地になって、それがアニメーションに生かされているという方が多いような気がします。Kim さんのお話で、 そのことを再確認させられたような気がしました。
フェスタ終盤で森下勝司氏、ロマのフ比嘉氏、いしづかあつこ氏、ルンパロ氏によるシンポジウムが行われたのですが、そこで 「インディーズアニメにマーケットはあるか?」という話題が出ました。私も個人的にこの点は前から気になっていたので、 ここだけメモを取りましたw 以下概要を記します。
司会「インディーズアニメにマーケットはあるのか?」
ルンパロ「Flash はベクターデータだから、そのまま印刷物にできたり、 様々な媒体にストレートに持っていけるという特徴がある」
ロマのフ「マーケットがあるのかどうか、正直分からないが、見つかっていないだけで買う人はいるんじゃないかと思う。DVD 即売会などを通じてもっと広められれば良いと思うが、今のところ自分の飯を食っていくだけで精一杯なので、なかなか機会がない」
いしづか「私はお金が絡むことは極力避けたかったので、現在いる会社でも『演出』という所属を選んだ。商業とかお金とかが絡むと、 自分が作りたいものを作ろうというモチベーションを維持するのが大変になる。会社では私は異端児扱いされているが」
森下「商業アニメだと、放送コードや映倫など、審査がどうしても入ってくる。しかし今では自分のマシンで好きな物が作れる時代。 商業アニメだからといって必ずしも成功するわけではなく、今では市場に出ている作品の数が多すぎて DVD が売れなくなってきている。 私たちとしても新しい道を模索しなければならないと思う」
司会「するとやはりインターネットなどを介して、という形になるのか」
ルンパロ「インターネットというか何というか・・・。日本では流通主導になっているのがまずいと思う。 例えばコンビニなんかに行くと、DVD が 1000 円 2000 円で売っていたりするが、 あそこまでダンピングされてしまうと業界としてはマイナスだ。目先の利益だけ考えればそれでいいのかもしれないが。 インディーズアニメに関しては、コミケやワンフェスのような、『そこに行けば必ず買える、しかしそこでしか入手できない』 というマーケットが将来的に出てくるのではないかと予想している。今回上映された作品を見ても分かるように、 クオリティに関してはかなり高いアニメーションが作られるようになっているが、それを見つけるチャンスがほとんどない。それに加えて、 最近の人たちには自分から外に出て面白い物を探そうという人があまりいない」
そして最後に司会の城戸氏がこう締めくくりました。
司会「こういうアニメーションは、作ってそのままにしてしまう人が多い。 最近上映会が増えてきたのは良いことだと思う。やはり作品は見てもらってなんぼだから。観客の反応を見て、 狙い通りのところで笑ったなとか、意図しないところで泣いたり笑ったりしているぞ、という反応を見るのは刺激にもなる。 今後もインディーズアニメフェスタが続けられれば幸いだ」
やはり個人制作アニメーションを商業ベースに乗せて飯を食っていく、 というのは簡単ではないようです。私なんかはそれに挑戦できるほど度胸が無かったので、実生活では Flash やアニメーション制作とは全然関係ない分野に進んでいますが、Flash をいじる人間としてやはりこの文化の先行きは気になります。 個人的にはこの類の上映会もまだまだ閉鎖的だと感じているのですが、まだ発展途上の段階にあるのでしょう。 私には応援することくらいしかできませんが、プロを目指している皆さんには是非頑張って欲しいものです。
と、こんな感じでフェスタは終了。 帰り際につかはらさんとチョータさんにお会いできたので挨拶を交わして帰りました。 三鷹駅に行く途中のガストで一人寂しく飯を食っていたら、前述の Kim さんとそのご家族(多分)が入店してきてビックリ。" I really enjoyed watching movies" と言いながら奥のテーブルに歩いていきました。 どうやら外国の方も日本の個人制作アニメーションをお楽しみ頂けたようですw



